ヴォルテッラの町とその周辺全体の景色
ヴォルテッラにおけるロマネスク様式
ヴォルテッラは高地にあり、古代エトルリア、ローマ時代、中世における適切な開拓地でした。内陸部にあるその地理的な位置にもかかわらず、ヴォルテッラの町は常にトスカーナ州内外の他の地域と密接なつながりを持ってきました。そのために、常に異なる地域からもたらされる多くの文化的影響を捉え、それをロマネスク建築にも表現される元来の言語の中に伝承しているのです。ヴォルテッラのロマネスク様式建築の最も美しい例の一つとして、大聖堂 (1120年に献堂) がありますが、いくつかのディーテイルにはピサの大聖堂を彷彿とさせるものがあります。この教会の建築と装飾は、周辺地域の他の多くの教会のモデルとなりました。関連するものとして、後に重要な増築がなされたことが興味深い、1160年から知られている礼拝堂があげられます。
サンタマリア大聖堂
洗礼堂
ヴァルデラのロマネスク様式建築
ヴァルデラのロマネスク建築は、簡素な建築 (しばしば後陣のないく単純なプラン) および彫刻フォームを示しており、多くの場合、構造物に深刻な被害を生じた強い地震の後の19世紀半ばに手直しされています。
とにかく、最も豊かな装飾的特徴を示すいくつかの建物は、ペッチョリのサンヴェラーノの教区教会の場合に明らかであるように、この地域とピサなどのその他の隣接するトスカーナ地方との間に密接な関係があったことを証明しています。
パラーイアのサンマルティーノの教区教会のように、鋳造された装飾的要素で装飾された、レンガ造りのロマネスク様式の教会もまた興味深いものです。
サン・ヴェラーノ(ペッチョーリ)教区教会
パライアのサンマルティノ教区教会
ヴァルディチェーチナにあるロマネスク様式の建物
この地域で、ロマネスク様式が今でも見られる教会や民間建築物はそう多くはありません。実際、教会の多くは、13世紀半ばから14世紀半ばの間に建設されているようであり、その建築様式は既に明らかにゴシック様式に影響されています。この地域をも襲った19世紀の地震の後、その他のものは大掛かりな修復を受けています。
その最も重要な例の一つが、モンテカティーニヴァルディチェーチナのサンビアージョ教会です。
田舎では、ロマネスク様式が(非常に簡素にではありますが)明らかに反映されている、モンテスクダーイオのサンタルチアのような小さな教会や礼拝堂を見つけることもできます。
モンテカティーニヴァルディチェーチナのサンビアージョ教会
モンテスクダーイオのサンタルチア教会